うさぎさんの病気について
うさぎさんに多い病気です。
専門書籍に色々載っていますので、ここでは代表的なもののみ記載します。
書籍やHPに記載されている病名の様なものは症候群や症状を現したものが多いためある程度はイメージとして捉えておりますので詳細は学術書などを参考にすると良いと思います。
うさぎさんは不調を隠す習性があります。
異常を表に表す状態はかなり良くない状態を考えましょう。
うっ滞
うさぎさんの代表的な病気です。
人間で言う、重症な便秘・腸閉塞(イレウス)の様なものかと思います。
食事・温度の急変・ストレスなど簡単なことで発症の原因となります。
症状は食欲不振・う●ちが小さい、少ない、出ない。お腹が張るなど様々です。
丸まって動かない、歯ぎしりをしているなど不調が見られる場合は危険信号です。
主な対策はチモシーをしっかり食べていただき、ストレスがかからない様に心がけます。
内服等で治療することが多いようです。
人間と同じように閉そく性や機能的イレウスが多いのでしょうか?
一部のイレウスは緊急手術を必要とするものがあります。
区分するのは難しいのではないでしょうか?
うっ滞の結果、毛球症が診られた。毛球症の結果うっ滞となった。どちらも実際判別はつかないと思います。
実際にはうっ滞という症状の中に毛球症があると考えるのが自然かと思います。
不正咬合
うさぎさんは歯が一生伸び続けます。
読んで字のごとくかみ合わせが悪いことですので特定の疾患を表現したものではありません。
通常はチモシーを適切に食べることや齧り木などを齧ることで歯を適正に削るので問題ありません。
硬すぎる金属を齧って歯が曲がったり、牧草などが少ない食生活が原因で歯が異常に伸びたりすることを不正咬合と言います。
不正咬合の為に食欲不振になりうっ滞につながる可能性もあります。
伸びすぎた場合は病院で歯をカットしてもらう必要があります。
熱中症
うさぎさんは暑さに弱いです。人間と同じく熱中症になります。
うさぎさんは全身が毛に覆われており、汗をかくことができません。体温調節は主に耳で行いますので、撫でる際に耳が異様に冷たい・熱いことがないか確認しましょう。
対策の基本はエアコンです。室温は最高で26度程度までに留めましょう。また、金属やセラミック・冷却パッドなどの暑さ対策用のグッズが販売されています。
症状は人間と大きく変わりません。重篤になると意識障害やふらつきなどが見られます。早急に対応しないと命の危険もありますし、助かったとしても後遺症が残ることがあります。
人間では発汗が無くなると危険な信号なのですが、うさぎさんは発汗できないのでぱっと見わかりにくいかと思います。
温度だけでなく湿度も重要です。
高温の場合は高湿度の方が負担が大きくなります。
ただし湿度コントロールは比較的難しいです。
湿度は測定自体が湿度計により測定誤差が大きいです。
電気代も高騰しているため、余程湿度が高くなければ冷房でよいかと思います。
書籍やHPに適切な湿度が書いてあるけど注意しましょう
温度と湿度は密接に関係しているよ
湿度は相対湿度と絶対湿度があり、一般的に表示されるのは相対湿度です。
相対湿度は飽和水蒸気量に対する割合です。水蒸気量が変わらなければ気温が下がるにつれて相対湿度は上昇します。
絶対湿度は空気中に含まれる水分量です。こちらを測定することは一般的にありませんので対応表などで計算するのが一般的です。
梅雨時期や地域性もあるため単純に評価はできません。
湿度が高い時は普段より室温に注意しましょう。
逆に室温が高い時は普段より湿度に注意しましょう。
冬季・・・室温18度~24度程度、湿度は余程、乾燥、加湿されな様に注意する程度
梅雨・・・室温20度~25度程度、湿度が高いため気温に注意します。
夏季・・・室温23度~27度程度、エアコンが常時作動しているので湿度は上がりにくい傾向があります。過剰な室温変化は負担になりますので冷やしすぎも体調不良の原因となります。
ニュースで見るように人間と同じです。
暑いと感じるかどうかではありませんので注意しましょう。
スマートリモコンや温湿度計を設置して外出先から確認することもできます。
ソアホック
足裏の皮膚炎症状です。
うさぎさんの足の裏は肉球がなく、毛でおおわれています。
肥満などによる足裏への負担、濡れた状態を放置するなどして発症します。
症状としては毛が抜け、皮膚が見えて炎症のため赤くなります。ひどくなると潰瘍を起こし骨まで達します。
発症してしまうと治療に時間がかかります。普段から床を清潔にして肥満ながないかチェックしましょう。高齢の為に起こる場合もありますので床材などを負担の少ないものに変更することも対策となります。
人間でいう皮膚潰瘍・褥瘡・皮膚炎などを包括した感じでしょうか?
制御の効く人間でも治療は時間がかかります。
うさぎさんの治療は難航しそうです。
確認できる機会があったら毎日でも確認しましょう。
足の裏の毛が薄くなったり無くなっていたりしたら注意。
早い段階で病院で相談しましょう。
目の病気
うさぎさんは体の構造上、目が突出しています。チモシーを食べたり、顔を洗う時などに傷つけてしまうこともあるようです。
角膜炎が多いようです、目が開けられない、涙が多いなどの症状が見られたら受診しましょう。
人間に比べて瞬きも少ない感じです。
雑菌や傷に対しての防御機構も必然的に低いのでしょうか?
人間に比べ眼球の痛覚もあまり感じていない様に見えます。
人間と同じで健康であれば澄み切ったキラキラした眼をしています。
白く濁っていたら白内障の可能性があります。人間と同じですね。
スナッフル
人間でいう鼻汁や風邪の様なものです。
人間の風邪はウィルス性ですがスナッフルは細菌性が主な原因となるようです。
くしゃみや鼻水・鼻づまりなどが主な症状です。他のうさぎさんからうつることもあります。
治療は投薬が基本となるようですので受診しましょう。
人間で言えば感冒症状です。
感冒症状はあらゆる疾患の初期症状としてみられるものです。
つまりスナッフル=風邪だから大丈夫と考えるのは大変危険です。
裏側に危険な疾患が隠れていないか動物病院で診てもらいましょう。
泌尿器・子宮
血尿が見られた場合には膀胱炎などの泌尿器の病気を疑います。受診しましょう。
女の子の場合は子宮の病気(がん)が3歳程度からリスクが高くなるようです。
膀胱炎の一因として結石がありますが、その原因としてカルシウムの過剰摂取があげられます。
うさぎさんはカルシウム吸収能力が高く、尿中のカルシウムが高濃度のため結石のリスクが高いです。
血尿と勘違いしやすいのもでポルフィリン尿があります。
見た目だけではなかなか判別がつきにくい場合があります。
ポルフィリン尿は問題ありませんが血尿は病気です。
人間はカルシウムの過剰摂取は殆どおきませんがうさぎさんでは起こりうるということです。
また、血中のカルシウムが高いと動脈硬化の原因となります。
うさぎさんにどのように当てはまるかはいずれ文献が無いか探してみたいと思います。
いずれにしてもカルシウム摂取コントロールは重要だと感じています。
尿路結石
前項でも記載しましたが過剰なカルシウムが結石となる状態です。
どの部分に結石ができるかにより名称が変わります。こちらも人間と同じですね。
白く濁った尿が継続しない様に注意しましょう。白く濁る原因はカルシウムの小さな塊が尿中に排出されるためです。
白く濁った尿が出ること自体は、異常ではありませんが頻度が高い、継続する場合は注意します。
うさぎさんはカルシウム吸収能力が非常に高いため起こりやすいと言われます。
人間は活性型ビタミンDの作用でカルシウムを吸収できるので吸収能力は低いです。
対策方法
基本は食事です。
カルシウムはペレット・牧草・おやつ・水に含まれます。含有量だけでなく総量を考えてあげます。
ただし、爪や歯が一生伸び続けるうさぎさんはカルシウム摂取量が少ないと骨がもろくなり逆に危険なので過剰に抑える必要はありません。
ペレット
カルシウムは0.4~0.7%程度が目安です。ただし、ペレットを与える量が多い場合はより少ないものの方が良いかもしれません。
牧草
基本的にはチモシーを与える分には過剰に心配する必要はありません。
大人のうさぎさんにアルファルフア(マメ科)を与える場合は注意が必要です。チモシーに比べて2.5倍程度のカルシウムが含まれています。
おやつ・野菜
嗜好品ですので与える際は量と共にカルシウム含有量に注意しましょう。
例えば野菜では小松菜はカルシウム含有量が多いです。
水
日本は軟水(ミネラル分が低い)が多いので水道水を与える分には特に問題はありません。
海外産のミネラルウォーターは硬水の物もありますので避けましょう。
ではRO水(逆浸透水)なら?と思うかもしれませんが雑菌繁殖防止の観点から避けましょう。
過剰に飲む必要はありませんが水分摂取量が極端に少ない場合は注意しましょう。
尿チェック
尿量が少ない・白く濁った尿が続く場合は注意しましょう。
早い段階であれば食事・水分摂取を改善すれば対策な場合があります。
尿量が継続的に少ない場合はすでに腎臓や尿路などに結石ができている可能性があります。
人間も尿量が減ると乏尿・無尿・尿閉など症状が進むにつれて危険度が増します。
レントゲンなどで検査しないとわかりませんので受診しましょう。
まとめ
うさぎさんは不調を隠します。何か異変が見られた場合は可能な限り早めに受診しましょう。
人間と違い1日の様子見中に急変・急死することが比較的確率が高いです。